きよさんが果てるまで。

ドライブレコーダー用にTranscendのMicroSDHC買ったのでスペック通りの性能か調べてみた!

一時期、偽物(容量が記載されている通りでない、速度が十分に出ない、など)が大量に出回り問題になった、microSDカードの買ってみたレビュー。今回はドライブレコーダー用にちょっと高価なMLCタイプを購入してみたのでレポートします!

 

MLC(マルチレベルセル)タイプってなんぞや?

メモリーにはいくつかタイプがあります。基本的には電気的な0または1の信号を電荷を貯めておくことで記憶させているのですが、昨今の小型大容量化の波の中、限られたスペースにたくさんの情報量を詰め込むことが課題となっています。

この問題を解決するために、メモリー内に溜まっている電荷の量によって0か1の2段階で判断していたSLC(シングルレベルセル)タイプから進化したMLC(マルチレベルセル)は、4段階(00、01、10、11)に細分化させることによって、同等の体積の中に倍の情報量をもたせることが出来たのです。

 

コップに水が入っていて、その量を基準にしてデータとして状態を保持している…と考えるとイメージがつきやすいかも知れません。

  • SLC:コップに水が入っている(1)か、入っていないか(0)で判断する
  • MLC:コップにメモリが3つ(4段階で見分けられる)打ってあり、1/4(00)か、1/2(01)か、3/4(10)か、いっぱい(11)かで判断する
  • TLC:コップにメモリが7つ(8段階で見分けられる)打ってあり…(以下同じ)

これを、コップ=NANDメモリー水=電荷として置き換えると大体そんなイメージです。

メモリーカードのサイズは決まっているため、詰め込めるデータの量を増やそうとすると、基本的には同じ体積の中にいくつ目盛りを刻めるか…という方法で容量を増やすしか無い(体積を増やすわけにはいかない)のです。

 

最近では安価なTLC(トリプルレベルセル)が主流

最近では技術革新のおかげで、000〜111までの8段階に細分化して情報を持たせることが出来るようになっており、PC用に使われているSSDなどもこのあたりが主流となっています。

なぜTLCが安価かというと、(先程のコップに水の例でいくと…)コップの目盛りを見てどれくらい入っているか(どの状態か)を判断することでデータを保持するので、目盛りは細ければ細かいほうが1コップあたりのデータ密度が上がることになります。

 

では1つのセルの中に沢山のレベルを持てるほうが良いのか…?というと

確かに目盛りを刻めば刻むほど、1つのコップで表せる状態(保存できる情報量)は増えるためにコスパ的には良くなるものの、同じセルの中にたくさんレベルを刻む事によってデータが飛んでしまうリスクがあるため、一概に良いとは言えないのが現状です。

というのも、コップいっぱいに水を汲んで置いていたのに、数日立つと水が蒸発してしまって水位が下がってしまった…その時、水が減ってしまっていて、水の量を読み取る時に

水が減っている、目盛りはコチラに近い気がするから3/4だ

と読んでいいか、

いや、目盛りまで達していないということはいっぱい入っていたはずだ

と読んでいいか、わからなくなります。

要はメモリー上に溜まっていた電荷も経年劣化で失われていくのですが、その際に「本来溜まっていたはずの電荷の量を、読み取った時に読み違えてしまった」ということが発生してエラー(データの破壊)が起こってしまいます。

つまり、目盛りを刻めば刻むほどこのエラーの発生率が上がってしまう(目盛り幅が狭くなって、読み違いしやすくなる)ということにつながってしまうため、SLC<MLC<TLC<QLCという用に故障率が上がってしまう、というわけです。

 

…とはいえ、PCのシステム用ストレージ(所謂WindowsのCドライブ)として使うためにはTLCで十分と言われています。

というのも、PCの使用中に読み書きするデータの大きさと頻度を考えると、通常の使い方であればメーカーの保証する書き換え回数の上限に達するまでに平気で5年以上かかる場合がほとんどだからです。

 

では、なぜTLCではなくMLCのmicroSDカードを購入したのか?

通常の使い方(スマホに入れて撮った写真を保存しておく、など)であれば、安価なTLCタイプで良かったのですが、今回購入したものはドライブレコーダーに利用するつもりだったので、よりデータの書き換えに強いMLCタイプを選定しました。

ドライブレコーダーでは、電源が入っている間は常に大容量の動画ファイルを書き込み続け、更にメモリーカードの容量がいっぱいになっても古いファイルを上書きして延々書き続けるという動作を繰り返すため、メモリーカードに対する負荷が半端ないです。

だからといって、スマホに使うのはもったいない・合わないか?というとそういうわけでもなく、TLCに比べて壊れにくい、上位互換なイメージなので、お財布が許すのであればMLCタイプを選んでおくと幸せになれる(データが飛んでしまうリスクを減らせる)かも知れません。

 

購入(&今回検証)したものは…?

前置きが長くなってしまいましたが、今回購入したmicroSDカードがコチラ。(左側)

※ちなみに右側の白いのは、コチラもMLCのタイプのmicroSDカードで、購入したドライブレコーダーの添付品でした。

ちなみに、MLCと記載がない(普通のTLCタイプと思われる)ものだと、

このように価格が倍違います。とはいえ、まぁMLCタイプが3000円行かないくらいなので躊躇はするものの、買えない金額ではないですね。

写真のデータや音楽のデータ、とにかく消えて無くなられてしまうと困ってしまうデータは多いので、故障耐性があるものを選んでおくに越したことはありません。

 

まずは速度と故障箇所が無いかを調べてみた

使ったソフトは、Windows用フリーソフトの「Check Flash v1.17.0」です。

 

ドライブレコーダーの添付品(写真右の白い方)

まずは、ドライブレコーダーの添付品として付いていた白い方のmicroSDカードから。

うーん、エラーは見つからず、品質的には問題なさそうかな…?

ただ、書き込みと読み込みが遅い。。。PCとデータのやり取りをそんな頻繁にやるわけでは無いんだけれど、もう少し速度出てくれたら嬉しかったなーとは思います。。。残念!

 

本命、写真左の赤x黒の方!

お次は本命、写真左の赤と黒の方です。

こちらも同じくエラーなどは特になし、容量等もちゃんとありますね。そして転送速度が速い…!(ほぼ公称値が出てる!

 

総合評価、特筆すべきは読み書きの速度…!

今回ご紹介したTranscendの32GBのmicroSDカード(のMLCタイプ)は転送速度が

と、とても高速だということがわかりました!

ちなみに、従来のUSB2.0接続のカードリーダライタを使っているとこの数値は出ません。…というのも、USB 2.0は規格上480Mbpsの通信が可能ですが、今回の読み書きは共に600Mbpsを超えている、つまりUSB2.0がボトルネックになってしまうわけです…!

なので、コチラのようなUSB3.0接続に対応したカードリーダライタを使うと良いでしょう。(私が使っているものです)

 

読み取りが85MB/sも出るということは、32GBフルフルに書き込んでいたとしても6分ちょいで全て読み取れる(PCなどに移せる)ということ。

これが22MB/sの方(白い方のカード)だと同じ32GB読み取るのに約25分かかる計算になります

 

意外と、大きなデータを扱うことはたくさんある

いやいや、そんな大きなデータ入れたりしないよ〜」という方が多いのですが、最近のスマホだと撮影解像度がどんどん上がっており(特に動画だとFullHD→4Kに対応し始めている)、1ファイルあたりの容量がどんどん大きく膨れ上がっている時代です。

なので、

ということで、選択肢に入れるのはアリではないでしょうか。

(*´-`)oO(デジタル一眼レフカメラ用に一枚追加で買おうかな…)

 

 

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