ニュースでこの話が持ちきりになってますね。
なんとなーく、いろんな話(雇用やら、男女平等やら)にくっつけてツイートされている内容がどんどん伸びているようだったので、思う所を吐き出してみました。長いです。
大前提として、私自身は女性側の味方をするわけでも無ければ、今回の医大側を養護するわけでもありません。
どちらの視点にも立ってみて、お互いどう思っているんだろうなーという考察してみた!というだけなので、その点を承知の上で読んでください。
ふと目に入ったツイート
要約すると、
- 女性は居なくなるものとして扱われるの何??
- 女性だからってこんな質問するってどういうコトよ!?
という感じでしょうか。
女性の皆さんはこの質問をされると、「結婚や、まして出産なんてそんな先のこと分からないのに」と不快感を覚えるのでしょうね。
男性目線から見ても、「こんな質問に何の意味があるんだ?」と疑問を覚える方も多くいるはずです。
きっと、企業側からは「コストかけて教育しても、結婚や妊娠で辞められたら無駄になる」「家庭最優先!ではなくてある程度仕事に身を傾けてくれるような人材のほうが使いやすい…」なんて思惑があるのでしょう。
でも、男性だって変な質問されてます
私の出身は四国のド田舎です。
そして、四国に本社がある企業に就職したのですが、企業合併や統合がここ数年のうちに何度も起こり、あれよあれよと言う間に現在は東京で働いています。
そんな私が就職試験を受けた際に、このようなやり取りがありました。
面接官「君の出身は…なるほど、地元だね。」
面接官「君はご兄弟はいるのかな?」
私「(…え、兄弟関係ある?)あ、ハイ、弟が一人います。」
面接官「なるほど、長男というわけか。ご両親は健在かな?」
私「はい、2人共元気です。(私の面接なのに関係あるのか…?)」
面接官「ご両親はおいくつくらいかな…?働いてるの?」
私「父は今年xx歳、母はyy歳になります。2人共もう仕事は引退して、畑で農家やってます。(や、関係なくね?)」
面接官「なるほど…もしご両親の面倒見ないといけなくなったら、君はどうするつもり?」
私「いえ、まだ2人共元気ですし、まだ先のことと思っているので…」
面接官「そうか、では県外、例えば東京や大阪にも支社はあるけど、家や土地なんかはどうするつもりなの?」
私「そのあたりもまだ先のコトですしなんとも…」
一応、そこの企業には合格しました。そして就職し、現在に至ります。
当時は「面接って変なこと聞くんだなー」くらいにしか思っていませんでした。
しかし、今考え直してみると、男性(長男)の私は「両親の面倒見る頃の話されても分かるかよ!」「家や土地どうするのかとか今から考えてられるか!」などと、女性が未確定の未来の話(結婚や妊娠)の質問をされたときと同じような不快感を感じているのです。
きっと、企業サイドからは「遠地に飛ばして辞められたらたまったもんじゃない…」「両親の年齢や家族構成次第では、一番活躍出来る歳になって退職されたら厄介だ…」などの危惧があったのでしょう。
ある意味、男女平等になってる
ここまでの話で「女性特有の未確定の未来の話」として「結婚」「妊娠」「出産」などをキーワードに聞かれることはおかしい!と声高らかに語っている人たちが多いですが、女性の話だけではないということがわかります。
世の男性たちも「男性特有の未確定の未来の話」として「相続」「介護」などのキーワードを中心にいらぬ質問をされているわけです。
…これって、ある意味男女平等になっているのではないでしょうか?
企業側からするとどちらの話題もリスクとなり得る
ここまで、男女それぞれの目線に立って「おかしくないか?」と思う点について洗い出してみました。
私も「性に紐づく特有の事象」に対する質問は失礼ではないか?という考えには理解を示します。
ただし、女性相手に結婚妊娠出産なんて質問はセクハラだ!男性が家をどうするのかみたいな質問はセクハラでもなんでもないから同じ土俵に上げるな!…というのは違うと思います。
どちらも、男性・女性であることを基軸にした「性に紐づく特有の事象」に対する極めてプライベートかつデリケートな質問である、と私は思います。
では、企業目線に立つとどうなのか
きっと企業側は、「一般的に男性には男性の、女性には女性の”人生の転機というタイミング”が存在し、それが自社に与えるリスクを考慮した上でリスクヘッジのために質問している」のではないでしょうか。
例えば女性の人生の転機として、結婚や妊娠・出産が挙げられます。
ここを中心に取り上げられると「研修期間が終わり、いざ実践の業務へ!と踏み出した矢先に結婚や妊娠で居なくなる女性は、コストの払い損になるから…」という話がよく引き合いに出されますよね。
…では、男性は?というと、ここについての議論はあまりされたことが無いように思います。
…なぜでしょうね。笑
男性にだって人生の転機はある
女性が20代の頃、つまり就職してすぐの頃に結婚や妊娠・出産というイベントを迎えるのと同様に、男性にも勿論人生の転機は訪れます。
男性の場合、30代から40代にかけてが一番のボリューム層になると思うのですが、先にも述べたような実家の相続や両親の介護に関する話で、職を離れて地元に帰る…といったことが起こり得ます。
このとき企業側からすると、「経験も積んで、これからどんどん社の成長に貢献してもらわなくてはいけない時期に辞められてしまう(同業他社へ転職されてしまう)のは大きな機会損失・利益損失となり得る…」というリスクになり得ます。
性に直接結びつく話だけがデリケートな話ではない
これはそれぞれの考え方次第だとは思いますが、私個人の考え方としては男性に向けられる「相続」や「介護」にまつわる話は、女性に向けられる「結婚感」や「妊娠の予定」の話と同様のデリケートさを持って接しないといけない内容だと思っています。
※勿論、「相続」や「介護」が女性に向けられるときも、「結婚感」や「妊娠の予定」が男性に向けられるときも然り、です。
ここまでを軽くまとめて
先のツイートの内容を振り返ってみましょう。
ここまで述べてきた内容から考えると、↑のツイート見ても「そりゃ、聞かれるでしょうよ。だって聞かないとリスクマネジメントできませんもの。」の一言でバッサリ切れてしまう気がします。
だからといって露骨に男女で優遇の有無があるのは、違う
今回の東京医大の件に話を戻しましょう。
東京医大もコメントを出している通り、「女性を育てても出産や育児に伴う長期休暇(或いは離職)が発生し、働ける人手を確保するためには定員という枠がある以上男性を多く採用する手段に出るしか無かった」というのは、「確かにそうだよね」と思ってしまいます。
恐らくですが、どこの企業も明確にやっていないだけで、無意識のうちにやっているのではないでしょうか。
今回はそれがあまりに露骨だったために大きく取り上げられただけ、という気がしています。
恐らく男女平等が本当の意味で叶う日は遠い
…強く言い過ぎ?とはいえ皆さんどこか心の中では思っているんじゃないかなぁ。
多くの企業が、「大学卒業でよーいどん!で入社」→「年々経験を積みながら昇進の道を歩む」→「家族ができ、家庭のためにも一企業で勤め上げる」というのが当たり前となっている日本では、ほぼ無理だと私は考えています。
私が勤めている企業(誰もが知ってるであろう上場企業?)では、「女性の管理職を一定以上の割合になるように登用する」という目標が掲げられています。
…おかしいよなぁ…
経験年数が浅くとも、ベテランおじさんを飛び越して上に行く系女子
大きな企業になればなるほど、社内で○○本部、××本部というように同じ社内なのに縦割りの組織がそれぞれ別会社みたいになっているということがあります。(というか、なってる。)
そんなところに、女性管理職を一定以上の割合で〜なんて号令を出すと、女性の少ない組織からは、若く経験も浅い女性が並み居るベテランおじさん達をぶち抜いて管理職へと登用されるということが起こります。
実際、以前居た組織では謎の女性昇進問題が発生していました。
というのも、その女性本人が「私はそのポストにはふさわしい実力を持っておらず、周りの男性たちの方が遥かに経験も実力も上であるためその方々を差し置いての登用はお断りします」と組織の長(と同じ組織内)に明に述べたにも関わらず「ノルマだから…」と昇進が決まったことがありました。
(後輩たちには「私、謎の昇進で金だけはあるから!」と気前よく食事などを振る舞ってくれるようになったり、元々のその人のキャラもあってか不平不満を口に出す人はそんなに居なかったです…が、歪な空気感だったのは間違いない。。。)
同期入社した男性と女性、どこを平等にするのが正しいの…?
また、こんな話もあります。
技術職として同期入社した男性と女性。
男性の方は勤勉に勤め上げ、技術者としての経験を積んでいきました。
女性の方は、入社後数年で結婚、2児をもうけ、産休・育休・時短勤務フルコンプリートでトータル約2年強のブランク。更に復職の度に間接部門を転々とし、技術者として入社したのに技術者としてのスキルは並以下です。
…しかしお互いの社内でのグレードや評価はほぼ変わらず。
その点を見ると確かに「同期入社同士平等だね!」という美談かもしれません。
まぁ、間接部門などの事務方へ移動したことにより評価軸が変わったから〜と言われればそれまでですが、世の諸兄はやりきれない思いでいっぱいだと思います。
結局どうすればいいのよ?
うーん、、難しいですね。
考え方…の話ですが、私は「仕事=個人の持つスキルや労力・知力の売買」だと思っています。
なので、まずは国を挙げて雇用の流動性上げていくしかないのかなぁ、と。
人材が流動性を持ち始めると、それまで賃金に見合わない仕事を生んでいたところは自然と淘汰されるだろうし、スキルアップ、人脈形成、イノベーティブな何かに繋がるようなことも…?あるのではないでしょうか。
それこそ、毎年医大に男女半々入学してもらっても、結婚していなくなる若い子に代わって子育てを終えたベテランさんがすんなり入れる制度があれば、100%とはいかないまでもポッカリと空いた枠を埋める人材はそれなりにいるでしょうし。
とはいえ、なんやかんやでクビにされないからこそのぬるま湯に浸かり続けてきた人というのも一定数いるわけで。
それに当然雇う側は安価で使い勝手の良い人材を求めるだろうし、釣り合いが取れなくなってくるんだとは思う。
…が、最初の一時的なもんだと思えば断行するくらいのことはしても良いんじゃないかなぁと思うんだよね。
難しい問題だな〜。